おばあちゃんと一太郎 ⑧

 トンネルを掘りたいと言ったことは、おばあちゃんの中では今も生きていた。
一太郎の言うトンネルの意味とは違うにしても、その発想は十分興味をそそ
るものがある。土を相手にしていると、とてつもないことが芽生えたり、ユニ
―クな発想が次々に浮かんでくるものだ。
 子供の頃、手伝いと言えばいつも畑の草取りだの、水やりなどで時間を
費やしたものだが、誰とも話し相手はなくても土の奥深くに向かって、

「虫さん 虫さん 聞いとくれ、私の話を聞いとくれ、
 この土どこまで掘ったなら、地球の裏へ出られるの」

歌いながらの手伝いは、あっと言う間に夕暮れになった。そんな 遥か昔に
思いをめぐらせば、トンネルでなくても、もっと何か面白いことが出来はしまい
かと、あれこれ考えるのでした。

「綱で囲った所は、坊が好きなようにしなよ、どんなにしてもいいぞ」

「ほんとに?  考える 面白いこと考えるよ」

「途中で投げるなら、もとどおりにしとけ・・・・いったん決めたらやり通せ」

「男・・・・だもんね」

二人の影も笑っている。

        何をするんだろうねえ

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