猫のつぶやき(生きる)

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歩道寄りに軽トラックを止めて、お通夜と葬儀の日時を知らせる立て看板が設置されていた。見ず知らずの人ではあっても、何故か一人の人生を勝手な憶測に引き込んでしまうものだ。

この世界での終わりは、永遠の終わりではないのではないか、遠くにあるのかすぐそこにあるのか、未知なる世界の存在をわずかでも信じたいと思う願望がそうさせるのか、憶測は揺るがぬ真実を植え付ける。

「死」は、誰もが公平に行きつく先ではあるが、その生き様は似ているようで決して同じではない。自分の生き方がどうであれ、自分の足跡だけがこの世界を歩いたのだ。

ピエロでもなく、自分が探し求めながら来た道に後悔は何もない。時に辛く、時に虚しく、生きるものすべてが身を持って体験すべき現実の難儀も、いつの間にか三尺先を流れる水のようである。

私は、私の人生がまだ続く事を確信しながら、見知らぬ人の旅立ちを描いた。


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