猫のつぶやき(2018・お盆が来た)

画像意気軒昂と言いたいところだが、意気消沈の猛暑の最中、盆は正確にやってきた。
あの顔、この顔、まあ何とこんなに大勢の人と関わりがあったのかと少々心臓が高鳴る。

どの顔も確かに笑っている。もの心ついた頃、縁側で面白可笑しくお伽話をしてくれた近所のおばさんまでが、今年は顔を見せた。小学校3年の担任で、今で言うイケメン先生が、友達のお母さんから何か品物を受け取っているのを見た私は、卒業するまでそのイケメンが嫌いだった。
その先生の顔も私に微笑んでいるではないか。

今年のお盆は賑やかで、一人づつ話し合えば、三日ではとても足りない。我が身内は後回しになるだろう。

友達の華やぎは、十代の頃の自分に戻れる。遠くで蝉が一斉に叫び続ける。その声に紛れ込むように、青春と言う短い時空が消えていった。
盆がくる度訪れる面々は懐かしい。何を語りかけるでもなく、何を説くでもない。

扉一つ向こうに、彼等の世界がある。迎え火も、送り火も、何もしなくても彼等は扉を開けていつでもやってくる。迎える心さえあれば瞬時にやって来る。ついこの間まで一緒に暮らした亭主は言わずもがなである。

10年ひと昔という言葉ももう古臭い。年々世の移り変わりの凄まじさに、遠来の客の驚きは如何であろうか。


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