猫のつぶやき(振り返れば懐かしい)

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振り返るのは止そう。前を向いて残された未来を描こう。そんな風に生きてきた。

だが、自分でも意外としか言いようのないほど歳を重ねてみると、ここまで来た道のりよりも、此処へ辿り着いた五体のたくましさに、身勝手な称賛とともに一人ほくそ笑んでいる。

古希も喜寿も、まるで私には無頓着に走り去って行った。これからが本当に人生を味わい深く、面白く、磨きをかける段階ではあるまいか。

「人生五十年」 と言われていた時代へタイムスリップしたなら、私はまるで仙人ではないか。
子供の頃は、60歳を過ぎた人を見ると お婆ちゃん と呼んでも少しも違和感はなかった。
テレビやパソコン、携帯電話などなかった時代、とてつもなく遠かった世界が、今はネットで一つに繋がっていて、都会も田舎も何らその線引きは無くなってきている。

振り返るのは止そう しかし振り返れば懐かしい。テクノロジーの発展は、益々便利で安全な暮らしをもたらすだろう。

都会を夢見た遥か遠い日の少女の姿は、明日の為に今日があった。張り裂けんばかりに膨らみ続けた夢は、形を変え、色を変え、達観と言う言葉に操られて、今はただただ懐かしく思う。

歳をとるのも悪くはない。明日のためにあった今日が、今日のために今日があると、微妙にシフトが変わっただけなのだ。
それでも決して変わらぬことは、夢を原動力として、我武者羅に生きたその道を、いつでも振り返ることが出来ることだ。


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