猫のつぶやき(チュウちゃんのお買い物)

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お友達に頂いたのよ、チュウチャンを中に入れてあげるよ。 母さんは僕よりも弾んだ声でやたら興奮気味だ。
僕がキャッキャと喜びの雄叫びをあげると、

「いいでしょう!」 と何度も繰り返す。母さんが作った訳でもないのに と思うと、少々可笑しくもあったけれど、母さんの気持ちはよく分かる。
籠から顔を出したチュウちゃんは、とっても可愛くて、母さんの行くところは何処でも連れて行ってあげる。そんなことを言った手前ついに今日は実現の運びと相成った。お店に着くと

「ちょっとだけ顔を隠してね」

あんなに僕のことを褒めそやしておきながら、何だよ何だよ。人間社会って、目には見えない不可解な事があるのだなと僕は籠の隙間から観察した。
ジュースや牛乳、野菜や肉で混雑した籠の一番上に僕を座らせて、聞き飽きたいつものメロデイーを口ずさみ、母さんの自転車は風を切る。

「チュウちゃん よかったねー」

よかったねーって、何がどう良かったのか。 母さんと僕は、きっと同じことを感じ、喜びを共有したのだ。

「良かったねー」

異口同音に発した言葉は、海沿いの坂道を駆け抜けて行った。


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