猫のつぶやき(夏休みのあの日)

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40日間の夏休みは、子供達の思い出ずくりに何か特別な事をしなければと思っていた。
もう半世紀も経つが、このシーズンになると決まって思い出す。

ある日、隣町の海へ貝掘りに行くことになり、母の気持ちを笑顔で受けてくれて、子供達ははしゃいだ。
海は誰のものでもない、皆んなのもの。この私の常識が見事に崩れた日でもあった。

「ここで貝を掘ってはダメだ!」

いきなりのダミ声が聞こえた。

浜辺に降りてきた声の主は、怒りをぶっつけた。
何が起きたのだろうと黙って立っている母子に向かって、声は大きく胸を突き刺すようだった。

「その貝は、そこへ置いて行け、ここはうちの貝じゃ、金がかかっとるんじゃ」

稚貝を買って、この場所で大きく育てて売るのだということがやっと理解できた。何だかまだ釈然としない子供達は、やっと見つけた数個のアサリを砂に埋めた。会話を喪失した1日であった。


          海は広いな大きいな    行ってみたいなよその国  ~~~




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