猫のつぶやき(English)

image.jpegOnce upon a time という英語を、やたら使ってみたい時期があった。ふと思い出してあの頃の自分を引き戻してみたくなった。どう見ても育ちのいい女教師が、once upon a time と流暢な発音で読み上げる英文は、美しく魅力的であったが改訳出来るほど予習も復習もしていない私は、教師の目をかわすこと必死だった。教壇からはそんな生徒の思惑などお見透しで、読んでくださいという声と同時にその手の指した先が私に刺さってきた。
そこで開き直った朗読となった。自分を「お前は何者だ?」と一瞬思ったほど上手く出来た。女教師は何の抑揚もない反応で「はい次」と誰かと交代した。

2〜3分の事の次第であったが、そのことは私の学生時代を彩るにはかなりのウエイトを占めることとなった。
何故なら、65年後の今もなお鮮明に記憶の引き出しに残っているからである。些細な一瞬にすぎないが、私を押し出し、私を揺さぶり、時に起爆剤となり、勇気の根源ともなっている。
女教師の名前さえ忘れてしまっているのに、何気ないことを思い出すなんて、不思議とも思えるが、当時の少女にはとてつもない日であったのだと思う。今もって英語はチンプンカンプンである。 正に once upon a time のことではある。
CIMG0666.JPG

人気ブログランキング

この記事へのコメント