猫のつぶやき(梅観る日)

ああ、言いそびれました。僕は忠太郎と言います。我が家には、30年以上前にこの家のヒーローだった犬のピコちゃん、たった1年半前まで絶大なる信頼で固い絆に結ばれた猫のゴンちゃん、その彼等の代表を授かる僕・忠太郎は、あっちの世界へ逝ってしまった彼等のイデイアとして、自分がどうあるべきか、何をすべきか、それはそれは重大な責任を担っているんだ。とは言え、実は何も出来ないんだ。母さんは、僕の存在そのものに大きな意味があるのだと言って、僕を逆に勇気づけてくれる。
臨海公園の梅観は、きっと母さんと僕と同時に思いついたことかも知れない。
紅梅も白梅も、全開の期にあり、僕がそっと近寄っただけで、春風の思うようにはらはらと頼りなげに舞ってしまう。なんとも儚い刹那に出会したものだ。
1500年もの昔(飛鳥時代) 中国からの伝来で、薬用として重宝され、徳川時代になって、誰もが口にするようになった梅。
日本最古の和歌集である万葉集にも118首もの梅を読んだ歌があり、「令和」と言う元号も万葉集から引用したと言う。
「母さん 今日はいい日だったね」
母さんの弾けそうな笑顔を見て、僕はますます沢山の「いい日」を母さんにプレゼントしたいと思ったのです。
東風吹かば 匂ひをこせよ梅の花 あるじなしとて春な忘れそ (菅原道真)

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