猫のつぶやき(珍客)

314423CB-73F2-416D-885D-151DD43E1C72.jpeg夏目漱石の「吾輩は猫である」は、私が生まれる33年も前の処女作である。そして80年もの世の変遷を経て、この「吾輩は猫である」が、再び現実となったように、我が家へ猫がやって来たのである。
「吾輩は猫である。名前はまだない。」と言う冒頭の文章を地でいくように、唐突に現れたのである。
痩せていて警戒心が強く、何処から来たのか、毎日の餌は足っているのか。そんな風に勝手な想像を巡らしながら、精いっぱいの笑顔で声をかけた。一定の距離をおきながら、「悪人でもなさそうだな」 と思ったのか 「ミヤー」と小さな声で返事をした。

あれこれと小さな珍客に声をかけながら、少しずつ警戒心が解れていくのを楽しんでいる私だが、さてさて、名前をつけていいものか。
雨が降れば、何処に寝ぐらがあるのやらと気にかけていたが、今では意が通じたのか、ちょくちょく顔を見せ、そっと置いておいた私の気持ちを、ガツガツとたいらげて、さっさと消えて行く。まるで忍者のようである。

「吾輩は、この家が気に入ったぞ」

そう言う目をしていた今日の珍客であった。
なにかしら、なにかしら嬉しい。

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