猫のつぶやき(早起きは三文の徳)

夜が明けたばかりの国道沿いの道を行くと、身も心もしゃきっとする。海から上がってくる太陽を今迎えようとする空は、昨日まで身につけていた全てのものを浄化するように私を優しく包み込む。 工場の煙突が吐き出す煙も、山を背に建ち並ぶ人間の住処も、美しい風景として目を奪う。 白い煙は空に溶け込んでいき…
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猫のつぶやき(アメリカのリーダー)

ドナルド・トランプ大統領の一挙手一投足を世界の目が追う。 メディアの報道次第で、表現する言葉次第で、鬼にも邪にもなる。 一国を統卒するだけではなく世界を背負う存在は、民主主義に則って国民が選んだのだ。今更「認めない」とか「やめろ」とか騒ぎ立ててもなにかしらアメリカという大国のイメージにそぐわない。 彼の一言一句が世界中を震撼さ…
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猫のつぶやき(新しい風に乗って)

元旦、そして小正月。あっという間に走り去ってしまったが、どの日を振り返って見ても、のんべんだらりと過ごした日はなかった。カレンダーは予定の書き込みで埋まり、日がな一日コタツでテレビの守りをする事もなく、自分の描いた線上を上手く歩いた。 かつてない自分の生き方を見出したような新鮮な喜びが心を潤す。 錆びかけた重い扉の向こうに広がる…
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猫のつぶやき(松の内は終わった)

「松の内」も関東・関西、或いは地域によって違いがあるが、最近では家々で少しずれもあるようだ。 1月7日をもって飾り納めを行うよう江戸幕府よりの通達がきっかけで関東地方では7日までを松の内とする傾向が広まったという。 玄関のしめ飾りを日暮れとともに外した。正月に限らず毎日が休日の身である私の怠慢を何となく申し訳ないと思う気持ち…
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猫のつぶやき(イソップ寓話をもう一度読もう)

「アリとキリギリス」や「カラスとキツネ」「北風と太陽」 など 時を忘れて読みふけった子供の頃の記憶は、決して忘れることはないだろう。 1593年に日本に紹介された「イソップ寓話」である。この寓話は紀元前6世紀の古代ギリシャの作家アイソーポス(イソップ)の作品である。 わかりやすく、誰の心にもストレ-トに納得させる真理がある。…
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猫のつぶやき(飛べ!2017年)

2017年。新年の節目ごとに夢も希望も微妙に変わりはしたものの、自分自身を虫眼鏡でも観るように、反省を込めた上で修正をする。 身の丈を途方もなくはみ出した夢を抱き、その実現を求め、がむしゃらに前を向いていた子供の頃が、今は眩しいほどに懐しい。 戦後という名のトンネルは長かったが、希望という炎の消えることはなかった。オリンピッ…
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猫のつぶやき(2017年が待つ)

暮れて行く2016年を思う。同時に膨大な時を刻んだ証しである己の凄まじい肉体の変化を、また一年重ねることにもなる。 古い家が解体され、日々平地になって行く進捗状況を見かけたりすると、この家の歴史に一つのピリオドが打たれたのだと思った。かつては季節の花で通る人を足止めしたものだった。生垣の向こうにときおり笑顔の老婦人が見え、なぜかホ…
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猫のつぶやき(原っぱへの招待)

この原っぱは、ある意味僕のオアシスとも言える。この原っぱには懐しい匂いがあちこちにちらばっていて、僕のストレス解消には一番居心地いい。 近ごろでは、原っぱなんてなかなかないんだ。どんな所にも家が建ち、僕らの暮らしも少しづつ時代の波に押しやられてしまい、猫本来の自由で穏やかな暮らしも、結構難しくなってきたよ。 「猫かわいがり」…
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猫のつぶやき(決断)

私が知り得た相手の全てを心に描き、一枚一枚丁寧に書いてきた年賀状であったが、その作業も昨年から停止した。私に大きな変化があったわけではないが、高齢ともなると、友人・知人がいつの間にか永遠の旅立をしていまっていたり、嫁ぎ先の娘の家に厄介になったり、施設に入り現状も把握できない友人もいたりと、周囲は様変わりしてしまった。それならばと思い切っ…
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猫のつぶやき(ママジャムの味)

なんだかんだと猫の僕に話しかけてくる母さんだが、〈ママジャム〉作りの時だけは何一つ喋らない。僕はつまらなくて、母さんの気を引くことばかり考えている。ローカを走ってみたり、おやつが有る戸棚の前でじっと座って見たり、裏の出入り口で開けてくれるのを待つふりをしたりと、あの手この手の気を引く作戦は、まあまあ今のところ成功している。 きょうはグ…
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猫のつぶやき(少子化時代)

少子化に歯止めがかからない現代では想像できないかもしれないが、私の子供の頃には、5人、6人の兄弟や姉妹は普通で、10人の子供がいる家も決して珍しいことではなかった。 大勢の家族のいる家に遊びに行くと、玄関は足の踏み場もないほど大小の履物でごった返していた。親は細かいことは言わず、幾つも年の離れた姉さんが、 「履物はきちんと揃えな…
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猫のつぶやき(一本の道)

―――過ぎていった懐旧こそ、老いた日々 の充実のための糧でもある。それは決して 過去への執着だけではなしに 、将来への 新しい期待を育んでくれる――――― 石原慎太郎著「老いてこそ人生」の一節です。著者が 太陽の季節 で芥川賞を受賞した昭和31年頃、女学生だった私は、本屋の前を素通り出来なかった。その作品を読まずとも、雑誌を埋め…
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猫のつぶやき(参道を行く)

いつの頃だったろうか、柏手を打ってぼそぼそと何かをお願いしたのだろう。きっとその頼みが叶うと信じ、神社の長い石段を何度も振り返り仰ぎ見た帰り道、友達の一人が言い出した。 「うちのおばあちゃんがね、神様や仏様にお願いばかりするのはよくないって」 何で、何で、とみんなが聞くと、全ての人の願いを叶えようとしたら、どんなに大変な事か…
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猫のつぶやき(明日に紅顔夕べに白骨)

朝には紅顔ありて夕べに白骨となれる身なり‥‥‥‥‥蓮如上人の「白骨の章」をじでいった友人は、何故自分は此処に居るのだろうか、いったい何があったと言うのだろうか、と今も山道で迷った人のように、四方を見渡しながら来た道を振り返っているのではないだろうか。 「上手くはないけど苦心惨憺したのよ」 そう言いながら初めて挑戦した漢詩を取…
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猫のつぶやき(今が素晴らしい)

道は果てしなく続いていた。周りは霧の中を行くように、薄ぼんやりとしていて、目に入るものと言ったらただただ道の白だけであった。何故自分は此処に居るのだろう。何処へ行こうとしているのだろう。何の為に。 私は立ち止まり、じっと目を凝らして見た。次第にあたりの様子が目に馴染んでくると、道端に何やらうごめいているのが見て取れた。 「‥…
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猫のつぶやき(青空のもと)

きのうまで半袖で過ごしたのに、今日はそんなわけにはいかないほど秋の深まりは急激に訪れた。 雨や曇りの日が続いた後の晴れ渡った空の青は、まさに「日本晴れ」といえる。 そんな日の朝刊を広げると、世界の今の有り様がざっと把握できた気がしてほっとする。世界の中の日本の現状、近隣諸国の理解し難い行動や、陰鬱な独裁者の受け入れ難い政策も…
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猫のつぶやき(私の原風景)

コスモスが至る所で咲いている。「調和」「純潔」 「謙虚」などといろいろな花言葉がついているが、外来種でありながら、「秋桜」という日本人の心とも言える桜の字をもらっていることからも、コスモスがいかに愛されているかが分かる。 舗装された道を避け、橋一つ渡ると堀川に沿って自転車が一台通れる自然道が長く続いていた。春はスミレ、夏はハマナ…
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猫のつぶやき(同窓会の案内状)

秋の気配を肌で感じる季節になると、決まって同窓会の案内状が届く。 役員の並々ならぬ苦労があったはずであるが、ろくに労いの文句も書かず、欠席の二文字だけで返送を繰り返してきた。何気ないたった一枚のハガキには違いないが、あっという間に一年が経ち、今年も多分行けないだろうと思うことが、いつの間にか行かないだろうになり、行かないと結論づけるこ…
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猫のつぶやき(母は永遠なり)

私が31歳 の冬、母はあちらの世界へ行く儀式を終えてからすぐ、私の体内で暮らしているのだと思っている。それが唯一末っ子の独断的優越感なのかもしれない。どこへ行くのも母と共に行動し、なにを食べても2人で分け合っているのだと思うことで、日々の暮らしは張りのある不思議な力に支えられている。 昭和一桁生まれの姉達は、その達者な口はさて置き…
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猫のつぶやき(秋だぞ!)

「ひねもすのたりのたりかな」…ってところかなあ。こんな僕の間延びした様な写真を貼り付ける母さんは、きっと僕に何かを要求しているんだと思う。解る気がする。 人間って、自分以外の者には敏感に反応するが、自分にはやたら寛容である。僕は自分の年齢を知らないが、母さんと上手くコミニケーションとれているところを見ると、阿吽の一人と一匹はおそらく同…
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猫のつぶやき(未来は果てしなく)

後期高齢者と言う命名を頂いて久しい。前期であろうが後期であろうが、高齢者であることには違いない。 あっちが悪いこっちが悪いと顔を合わせる度に誰かれなく愚痴るけれど、聞く方も右から左へ難なく交わしてしまうテクニックもなかなかのもんだと自我自讃している。 肉体の衰えは、人生にピリオドを打つ日の連想の始まりでもある。自分の歩いて来た道…
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猫のつぶやき(学びも仕事も年齢関係ないでしょ)

101歳の現役女性カメラマンの顔は輝いている。「お婆さん」などと、とても言えない深い知的な美くしさに溢れていた。これまでに名だたる多くの人達の顔が、そのファインダーから世に送り出されたことだろう。 写真に映し出された映像には、目の前で見る現実を決して取り繕えない真実と、本質が映し出される。 …
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猫のつぶやき(リオ五輪・2016)

2016・リオ・オリンピックの開幕である。太陽の国、サンバの国ブラジルに南米初となる聖火が17日間燃え続ける。高い芸術的センスと熱い情熱で表現された斬新で美しい開会式は、見る者を虜にした。 日本から1万9千キロも離れた地球の裏側で、205もの国と地域のアスリート達が力や技を競う平和の祭典が、大きなトラブルもなく進行することを祈らず…
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猫のつぶやき(太鼓の音よ遠くへ響け)

夏休みの最大のイベントは盆踊りであった。母が夜なべに作った藁草履を、赤い鼻緒の下駄に履き替え、まだ日の高いうちから出かけて行った。櫓の周りは、糊の効いた浴衣の子供達が占領して、勝手気儘に大太鼓を打ち鳴らしていた。その音を聞くだけで、高揚感で湧き立った。やがて日が落ち大人達が登場すると、ガキ大将もおしゃまな女の子もぐっとしおらしくなった。…
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猫のつぶやき(選挙戦風景)

参議院選挙が終わり、東京都知事戦でTVは姦しい。投票権のない地方から見ると、笑えないお笑い芸人よりも面白く映る。 立候補者は、トンカツに添えた刻みキャベツのように山盛りである。 マスコミの調査結果で三人の顔ばかりがアップで放映される。大した政策も、未来のビジョンも持たずして、「馬鹿じゃないからこれから勉強しますよ」などと言う輩も…
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猫のつぶやき(永遠の記憶)

誕生した時の記憶は、2・3才頃までは覚えているらしい。人間の脳は記憶と忘却の働きを持つことで、うまくバランスがとれているのかもしれない。それにしても高齢と共にバランスの悪い脳の奥底に、誕生して間もないある日のことが、忘却機能のボルトが固すぎたのか今もずっと脳の皮質に残っている記憶がある。 やっと目が見えるようになった日、枕元に立て…
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猫のつぶやき(イギリスと日本)

イギリスのEU離脱のニュースが世界を一瞬でかけめぐった。日本からイギリスまでの距離は、おおよそ地球の4分の1周だと言う。遥か遠い国ではあるが、 ジェントルマンの国、文化的高水準の国という印象は子供の頃の耳学問から得たものである。 この国の何を知っているわけでもないが、清廉な感覚で親しみをもっていた。周囲を海に囲まれている国が育ん…
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猫のつぶやき(未来は今日からはじまる)

「断捨離」という言葉もそれなりの年齢層の間では耳慣れた定番である。 「何してる?」 「断捨離」 電話の向こうの様子はそれ以上言わずとも、なるほどとうなずける。友人知人、隣人親戚が、一人、また一人と永遠の別れを告げるたびに、やがて行く道なのだと我が身を思い我が心に問う。 「どう? 人生の味」 「自分の…
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猫のつぶやき(かっこよく生きたい)

先日広島を訪れたオバマ大統領はカッコよかったよ。僕もカッコよくなりたいなとちょっとばかり高望みしてみたんだが、中身が備わっていないと本当のカッコ良さではないんだと、母さんに笑われちゃったんだ。 「ゴンはとても素晴らしい猫だよ」 って口癖のように吹聴している割には僕には結構シビアである。 部屋の隅でこっそり鏡の前に立ってみた。…
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猫のつぶやき(オバマ大統領が来た日)

オバマ大統領の顔が車の厚いガラス越しにわずかに見えただけで、「本当にオバマ大統領がいたんだ!」と思わずインタビューに答えていた青年の声が、率直に嬉しかった。なんだかんだと理屈をこねればそれなりにうなずけるけれど、戦後初めて広島の地へ立った彼の勇気と決断は、彼でなければ果たせなかったに違いない。テレビ画面を通して、世界中の目が集中したであ…
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猫のつぶやき(僕の好きな場所)

住人のいない家がそこここに目立つようになった。シャッターの閉まったままの商店街のように、歯の抜けたような寂しさはぬぐえない。 草はジャックと豆の木のように天に向かって這い上がり、これぞまさしく草ぶき屋根というもんだ。 僕にとってはじつに居心地の良いオアシスと言える隠れ家である。上から眺めていると面白い場面に遭遇するからたまん…
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猫のつぶやき(月性と月照)

瀬戸の海には釣り舟がたゆとうて、白砂を枕に聞く心地よい波音は、悠久の時を刻みながら、今も昔も人の心を様々に彩ってきたであろう。黙っていても独り楽しめる招待席のようである。 こんな海の広がりを前にし、琴石山を背にして1817年 月性 は「妙円寺」という寺で誕生した。 32歳の時、[;清狂草堂] ;という塾を開き、幕末に活躍した…
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猫のつぶやき(母の日に思う)

「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりじっと手を見る」 という啄木の歌を感傷的にとらえ、腹の底まで共感したものであるが、萌えるような若葉と、爽やかな風がもたらす五月という気候のせいもあってか、もっと大らかに、一呼吸してその言葉を受け止めるようになった。 じっと手を見ながら、そんなに自信をもって我が手をまじまじと見つ…
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猫のつぶやき(縮景園)

隅々まで手の行き届いた縮景園は緑にマッチした花の鮮やかさが、茶会にやってきた和服の女性達の華やぎにも一役かっていた。 見上げれば、首の骨が後ろへ ひん曲がりそうな高層ビルが林立する超近代的街の一角に、400年の軌跡が再現されていることに驚かされる。 1619年に広島藩主として入城した 浅野長晟が、家老で茶人であった 上田…
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猫のつぶやき(時よ止れ!)

吉田松陰は29歳と言う若さで人生を終えた。その彼が 「一日一字を記さば一年にして三百六十字を得、一夜一時を怠らば、百歳の間三万六千時を失う」 と言う言葉を残している。 「僕たちは一年ごとに、一月ごと、一日ごとに歳を取って行く。時々僕は自分が一時間ごとに歳を取っていくような気さえする。そして恐ろしいことに、それは真実なのだ」 …
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猫のつぶやき(熊本地震)

やっと念願かなって家を建て幸せの絶頂にあった人、新車購入したばかりの人、そこにあった全てが一瞬で瓦礫と化した無惨な様は、底知れぬ恐怖と絶望におののく。生きていることこそが奇蹟なのだと再認識する。天災は忘れた頃にやってくる……よくそう言っていたが、忘れるどころか、間髪いれる間なく襲いかかる。 火山帯の上で、美しい日本はいつまでその姿…
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猫のつぶやき(花の命は短くて)

久しぶりに空は青くどこまでも広がっていた。桜はひねもす人間の眼にさらされ、疲れ果てたはなびらはわずかな風にも耐えられずはらはらと舞い落ちる。人はその儚さを我が身に、我が人生に重ね合せ、束の間の爛漫の春に酔う。 凍てつく寒さに耐え、裸のままの桜木が芽吹き、蕾を付けた時の歓び、一輪また一輪、あっという間の満開。やがて春の雨は無情である。 …
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猫のつぶやき(少女達は今)

小高い丘にもちゃんと名前がついていた。「茶臼山」と言った。説明するにはこれと言う特徴もなく、其処から街の全貌が見渡されるほどの標高があるわけでもない。民家の脇の細い道を息切れすることもなく辿り着けた。 少々薄れかけた記憶をシャッフルすると、青春の輝きに到達するその丘が、時を経て尚鮮明に蘇る。セーラー服の女学生達にとって、最も待ち遠…
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猫のつぶやき(桜の春)

グランドを2周し、水をいっぱいにしたバケツを両手に下げて、ローカに立たされていた男の子も、級長選挙で鉛筆を配って一票を頼んだ女の子も、いまは皆公平に後期高齢者である。 あのころは鉛筆一本も貴重で、3センチほどにちびてもキャップに刺して使った。配給のズック靴も抽選もれで一度も履けなかった。そんな小学生時代を駆け抜けた。中学に…
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猫のつぶやき(マグロ党・カツオ党)

人間の世界はとかくややこしい。簡単で単純なことも、とどまるところはやたら難しいことになってしまう。難しすぎて笑うしかない。 最近一番笑ってしまったのは、つい昨日のことだ。「民主党」と「維新の党」による新党名を「民進党」として27日に発足するというのだ。国民と共に進んでいこうという意味合いだろう。猫の僕が言うのもおこがましいが、どこかで…
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猫のつぶやき(弥生3月の到来)

弥生3月の到来である。暖かな陽射しに誘われて、僕は周囲を高みから見渡している。道ゆく人も心なしか和んだ表情に見えて僕までが嬉しくて跳ね上がりたくなる。春って本当に誰をも優しい気分にし、開花と共に希望を見出す。太陽も、風も、公平に我が内をいっぱいにし、喜びの太鼓を響かせてくれる。 春は前に新しい一歩を踏み出すことを可能にする。母さん…
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猫のつぶやき(懐かしき桂枝雀)

二代目桂枝雀の(饅頭怖い)が好きで何度も聞いたものだ。枝雀ほどの上手い落語家がいるだろうかと聞く度に感心したものである。59歳と言う若さで命を絶った落語家が如何に天才的であっても、その終わり方を思い出すと、笑いの向こうにあるその何倍もの苦しみに突き当たる。 (饅頭怖い)という演目を何故かふと思い出していたところへ、幼馴染から饅…
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猫のつぶやき(光陰矢の如し)

きょうという1日もあっという間に消え、一ヶ月も1年も車窓の風景の如くに過ぎ去る。日めくりを一枚づつごみ箱に捨てるたび悲しく虚しく切ない。何の感慨も無く捨てられてしまった若い頃の日めくりの一枚一枚に、申し訳ないことをしたような思いすらしてくる。過ぎ去る時間に無頓着で、明日来る日に夢を描いた時代であった。忘れないでおこうと思った数々の眩しい…
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猫のつぶやき(良かった節)

この国にうまれてよかった。四季が巡って来る国でよかった。崇高な人間の格式を備え、生きる全ての心・形に、美の感覚を備えた文化を基盤とした民族でよかった。日本人で本当によかった。 母さんの良かった節が始まった。でも僕は、良かった節は大好きさ。心地よく響き合うコミニュケーションから、夢が大きく広がり,広がりの中から希望が湧き出してくるん…
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猫のつぶやき(人生は不可解)

野球界のスーパースター「清原和博」の逮捕を繰り返し報じるメデイアの声は、野球とは縁の薄い僕や母さんを重く暗い気持ちにさせた。甲子園での活躍に感動し、巨人への入団不成立の際には、何処の球団でもいいじゃないか、清原は清原なんだからと、TVの中の彼に声をかけて励ましていた母さんだった。若くしてその道の頂点を極めたアスリートやアーチストの数は、…
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猫のつぶやき(春まだ遠く)

会社勤めの頃は、雨が降ろうが矢が降ろうが、苦にもせず風邪も振り払って休むこともなかった母さんは、コタツのお守りをすることが多くなった自分の今を嘆く。 「年を取ったんだからしょうがないよ」 慰めるつもりの僕でしたが、そんな言葉など母さんには通用するわけはなく 「勝手に年ばかりおいていくんだよ。 面倒だから二つ三つおいてい…
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猫のつぶやき(駅のベンチ)

昇降客もまばらな駅のベンチに、今朝もあの爺さんはぽつねんといた。 「おはよう 頑張っていますか」 目が合うと誰彼なくそう言って声をかける。ほとんどの人はそそくさと改札へ急ぐ。それでも爺さんは 「行ってらっしゃい がんばってねえ」 そう声をかける。それに応えることが当然と、気のいいおかみさんはちょっとばか…
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猫のつぶやき(雪の日)

「コタツの守りをしているよ」 雪が舞うのは今年初めてのことだ。こんな日は一日の時間配分がなかなか難しい。 母さんは、半世紀も前の同級生と長電話している。幼馴染というのは遠く離れていても、一言二言ですぐに隣にいるようだ。電話の向こうの人はどうやらこたつから離れられないらしい。 「映画でも見にいったら寒さなんて吹っ飛ぶかも…
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猫のつぶやき(捨てるよろこび)

あれやこれや、なんだかんだと気ぜわしい日々は、歳を重ねる毎にその度を増す。何故? 年寄はのんびり過ごしているのだと捉えていた若い頃。とんでもない。 年と共に不要なものがどんどんふえていくからである。小物に至るまでどれも皆それなりの思い入れはあるけれど、仕舞い込めばそこでその物の需要はおしまいとなる。何年かして、ついにはお役御免の引…
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