猫のつぶやき(ここが故郷)

猫の分際でと笑われるかもしれないが、我々にとってこの新年の集いはその年を生き抜く上で大きな意義をもつものなのである。 今年は長年上方で暮らした幼馴染が顔を見せるというから、何はさて置いても行かねばと、暮れから心待ちにしていた。 会場の選択は、目まぐるしく変わる社会情勢に連動するように苦労を伴う。あっちの草むらこっちの草むら、皆マンシ…
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猫のつぶやき(脱皮)

変わりばえのしない日々の連続を嘆くと、変わらない日々こそが幸せなのだと最もらしい年寄りの意見が姦しい。変わるということの解釈が、それぞれの生きて来た歴史を物語る。 何かしらの変化がもたらす突拍子もない出来事に遭遇した者は、何もなくこのままがいいと言い張る。かと言って何かを求めている心の内が垣間見られるから面白い。 さあ! 201…
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猫のつぶやき(年の瀬)

年の瀬になると、毎年のことながらこの一年を振り返る。良い年だったかそうでもなかったか曖昧な結論を引き出す。 総じてこの世の出来事は、自分を強くしてくれるのだと思うようになる。ならば悪いことなどなにもないのかと問うて見る。あれこれ出てくる出来事は、戦後の食糧難時代、山坂超えて芋の買出しに行った背負子の重さのように肩に食い込む。生きていれ…
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猫のつぶやき(尻尾で表現)

僕の尻尾を見たかい。思いっきっり大きく膨らませて君に警告しているってことがわかるだろう.。あれほど真剣に言っても君は冗談半分に聞いてたんだね。そりゃあ君の方が年上だってことは承知してるさ。年上だろうが年下だろうが、長くこの地に暮らしている僕ならではの、経験と、もの言わぬルールってものがあることを真摯に受け止めて欲しいんだ。 君のこ…
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猫のつぶやき(レッド・ウイングは友達)

「やぁ おはよう 君っていつ見ても素敵だよね」 ステンレスの車体は軽快に通過して行く。今年3月投入された227系電車「レッド・ウイング」は、僕の友人なんだ。 広島地区在来線に、新型電車が投入されたのは、JR発足以降初めてのことであり、国鉄時代から通算しても32年ぶりというから、いっそうその雄姿が我が事のように誇り高い。 …
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猫のつぶやき(さまよう)

宇宙は無限で、死の向うには同じような世界があり、苦もなく、欲も嫉妬もなく、平和でのどかで全てに平等で幸せな世界がある・などと子供の頃に想像したり、信じたりもしたものだ。 死の向うを信じるもの、死せば無なりと思う者も、死の世界を見てきたと語る生と死の淵に立った者も、すべては自由な己の想像でしかないのだ。死の淵をさまよった者も、死…
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猫のつぶやき(朝の出会い)

グラビヤを飾った猫の ハナ がやってきた。間違いない あれは ハナだ。キロキロした可愛い子猫だったころよく一緒に草むらを駆け回ったものだ。どんなに年を重ねたって、見間違うことなんかない。 確かにハナは歳をとっていた。雑誌に載ったことで一躍スター猫として華やかな道を行くこととなってからハナを見るのは雑誌の中だけとなった。僕はハナの…
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猫のつぶやき(突き詰めればみな同じ)

幸せってどんな物差しではかるのだろうか。人間の欲望にそこまでと言う制限がないように、幸せの形は人間の数だけ様々である。AがBを幸せな奴といい、Bは自分を不幸だと言い張る。人間は実に面倒な生き物である。 幸せとか不幸せとか言う言葉を作った人間が、僕に言わせればどうしても気に入らない。 同じなんだ。皆同じなんだ。一生の物差しがあると…
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猫のつぶやき(椿の花の美しさ)

猫の見回りは朝が早い。家々の窓をノックする風さえも今朝は遠慮がちに見える。足元でかすかな音がした。椿の花が一つ落ちてきて、僕の足の上に乗っかった。 「君 終わったのかい また来年会おうね」 声をかけると少しだけ顔をよじって花は笑った。薄いピンクの花びらはわずかに残った露と共にその命を散らした。 椿の木の一番下の枝…
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猫のつぶやき(未来は僕の手で)

どれだけ歩いたろう。時間の感覚など飛んでしまっていた。闇の中をメクラめっぽうに歩き、それでも自分は生きているのだという実感は頭の中で消えることはなかった。ふと足が止まった。自分の意思ではなく、ただ足が止まったのだ。漆黒の闇はこの世の終わりを思わせた。 僕の夢はここであっけなく終了した。これから先にこそ本当に興味があったのにと悔…
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猫のつぶやき(吾輩はゴンです)

洗濯機が止まってホットした。 「ちゃんとお留守番してなさい もうすぐ洗濯機が止まるからね」 母さんはスーパーへ出かけて行った。嫌いな洗濯機の音が止まると、何故かしら緊張がほぐれていく。 洗面台に上がり洗濯機の中を覗いて見ると、ぞくっとしたのは決して僕の弱腰からではないんだ。洗濯物とは何の関係もないんだ。 漱石の「吾輩は…
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猫のつぶやき(笑顔に勝る薬なし)

見上げれば、空をも覆い隠すようにその建物は異様に大きく見えた。 街中の病人を一人残らずこの一点に集めようとでも言うかのように、誇り高げに自信に満ちた風体である おしゃれな喫茶、お食事処など、ここが病院?そんな風に感じる。去年の今頃見た建設途上の病院は、コンクリートの肌をむきだしにして、秋の陽を冷たく遮断していた。 多くの患…
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猫のつぶやき(800年を超えて)

「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず、よどみに浮かぶ泡沫は且つ消え,且つ結びて、久しくとどまりたるためしなし、世の中にある人と住家と、またかくの如し。」 かの有名な方丈記の冒頭である。この短い文章がなかなか覚えられず、錆び付いた頭脳に落胆したのであるが、先日ふと思い立って、しばらく通ることもなかった道を歩いて見た…
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猫のつぶやき(ありがとうは幸せの言葉)

母さんの買い物袋はいっぱいだ。手を貸そうと言うと 「ゴンは時々母さんを驚かすんだね」 そう言ってまじまじと僕の目をのぞきこむんだ。重そうにしてる姿を見るのがとてもつらいんだよ。 でも、よく考えて見るまでもなく、ほんとうに手助け出来ない自分の手が情けなくもあり、悔しくもある。 「ごめんね母さん」 「ありがとうね …
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猫のつぶやき(青い鳥は心の中)

こんなことではいけない。こんなことでは満足して人生を終われない。 いつのころからであろうか。このような思いがずっとどこかにあった。老いて行くにしたがって、次第に自分に甘くなる。 人生ってこんなもんだろう。まあいっか、自分は一生懸命生きてきたんだから、もうゆっくりしてもいいんじゃないか。そう思うようになる。そこからが堕落の始まりで…
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猫のつぶやき(古事記)

712年に成立した「古事記」は、伊邪那岐尊(イザナギノミコト)、伊邪那美命(イザナミノミコト)により、日本という国が開闢(かいびゃく)したことから始まっている。遥か古へを思う時、今ここに当然のように胡坐をかく一億の民の真髄をも考えずにはいられない。 神話であるから何もかも嘘偽りと解釈するには、あまりに傲慢ではないか。「古事記」に記…
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猫のつぶやき((古事記の話)

秋空の下で母さんが「古事記」の話をしてくれた。唐突にやってくる母さんの執ような召集は、時に鬱陶しくもあり、腹立たしくも感じるが、その拘束さえ解ければ、好物のおやつが必ず出てくることを知ってからというもの、僕は母さんの 「ゴン おいで」  を心待ちにしている。 「古事記」は日本最古の書物だということは誰もが記憶している。 …
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猫のつぶやき(時代は想像を追い越す)

時代のうねりは怒濤のように押し寄せる。どんなに歯を食いしばって頑張っても、どうなるものでもない。流れに任せ、やがて落ち着くところ、おのずとそれは運命とでも言ってしまうしかないほどの境地に辿り着く。そのうち、そのうちと言ってる間にそのうちははるか彼方へ流れ去る。 ボタン一つ、スイッチ一つで事足りる時代だ。 煩わしい説明書きな…
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猫のつぶやき(安心して生きる)

高い所でじっと耳をすましていると、巷の何気無い情報が漂ってくるんだ。 僕等の仲間の話がとびこんでくることもあるが、そんな時は大抵聞かなければよかったと後味の悪さに後悔する。 人間社会では、猫はかなり疎外されているのかもしれない。 猫好きの人が、捨て猫にそっと餌を与えていると、市の方から辞めるように注意されたらしく、しょんぼりし…
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猫のつぶやき(カマキリとゴン)

「ゴンちゃん それはないでしょう つれないねえ」 「昨日も一昨日も 君とはづいぶんお喋りしたじゃないか」 「昨日はきのう もうじき この国を出ていくんだもの 時間がないのよ」 鮮やかだった緑色のボデイがどことなく艶を欠き、きろきろと目玉を動かしながら護身の構えを見せていたオオカマキリのカマちゃんもなんだ…
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猫のつぶやき(知性・品性・理性)

「知性、品性、理性。この三つが今の政治家には備わっていない」 どこかのメディアで誰かが批判していた。いちいち 言葉批判をするのは理性のなさを問われそうだが、以前の政治家には備わっていたと言うことだろうか。 台湾の議会の凄まじい光景をTVで見た時、他国のことだと笑って見ることが出来た。 我が国でも同じ光景を見せられる…
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猫のつぶやき(ワールドカップバレー2015)

「ワールドカップバレー2015」は、男女とも非常に見ごたえがあった。世界に十分誇れる実力に、僕の血が沸き立った。どんな勝負でも勝ってこそ称賛されるものではあるが、一点ごとの攻防は、たるんだ僕の全身を飲み込んでいった。自分もメンバーの一人になって声を出した。 王者ポーランドや2位のロシヤとも、負けはしたが決して見劣りしない出来栄えだ…
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猫のつぶやき(議員バッチ? 笑っちゃうね)

参議院特別委員会での放映を見て、僕は国会議員という人種をTVを利用した役者だなと感じたんだ。この人達は何かおかしい。口先だけはきれいごとを言う。もっともらしく言う。でも本当は違う。この人たちは、いつの時も自分の存在、存在感、選挙で当選することだけを意識の中に持ち、「国民のため、国民のため」と鼓舞するが、力めば力むほど笑いたくなるよ。…
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猫のつぶやき (生きることは戦いなんだ)

時の過ぎゆく速さを「 立て板に水」だとか、「走馬灯のように」とか、表現は人それぞれだが、昭和と言う時代もまたあっという間に過ぎ去って行った。そこには戦後と言う貧しい時期こそあれ、思い起こせば今ある自分の全てがそこにあったのだ。身の丈より大きな夢を抱いたものだった。 「平成」  と、新しい元号を読み上げる元総理の小渕さんの声が今…
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猫のつぶやき(秋来る)

朝の窓を最初に訪れる風は、秋であることを確しかに実感させてくれる。 だがやはり (男心と秋の空)(女心と秋の空)をもまた実感したのである。 変わりやすい天候は、男心や女心にたとえられるが、それも、室町時代にすでに使われていたというから、よくまあ観察のゆきとどいた人間達だと感心する。 人の心を例えるのに、 どんな力を持ってし…
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猫のつぶやき(老人)

ぽつんとベンチに腰を下ろした爺さんは、そろそろ近ずいた夕暮れの気配にも気づいてないのか、その場所にじっと張り付いていた。 「おじいさん お家にかえらないの?」 目玉だけ動かして僕を見た。 「そうだな 」 ゆっくりと腰をあげた爺さんの後ろ姿は、昨日よりも悲しく見えた。 「こんなに大きな家にすんでいるん…
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猫のつぶやき(夢の世界の僕)

睡眠時間が長いせいでもあるまいが、夢を見ることの多さはかなりのものである。 それも夢か現か、目覚めてもその境目がないほどに現実的であったり、夢の中のままの自分であったり、夢とわかっていながら夢の中を楽しんでいる自分を見ることだってある。 猫であることには満足をしている僕であるが、夢の中での僕はいつも人間の言葉を喋り、仲間の猫…
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猫のつぶやき(秋の気配)

精霊さんを送ってから、仏壇を賑やかした提灯や供奉が姿を消すと、急に早朝の風が秋の近づいたことを告げる。日中の厳しい暑さもなんとか無事峠を越えた。 僕の一番好きな 季節の到来は、来る日も来る日も熱射との闘いに疲労した身体を一気に蘇生してくれる。 溶けてしまいそうだった夢の糸を手繰れば、はっきりと確かな感触がもどってきた。その実現に向け…
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猫のつぶやき(お盆に思う)

太陽に向かって弾けることに何の躊躇することもなく、天真爛漫の笑顔で生きることを人生の道標としたあの日々。人生とは?人生とは?どれほど繰り返したことか。答えのない問いに疲れ果て、やがて愚問だと切り捨てることで、己の人生をごまかそうとしてはいまいか。安易さの裏には必ず思わぬ落とし穴のあることを、来た道が教えてくれたではないか。 「人生…
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猫のつぶやき(お出かけの朝)

こんなに暑い日ではあるが、母さんとお呼ばれで出かけると思うと朝から浮き足立っていて、何を言われても「はい」 と良い返事ばかりが先をいく。 普段は母さんのぶつくさ言う言葉がいちいち胸に突き刺さるが、今朝の僕のなんと素直でけなげなことか。 目覚めてまだ前の畑で用を達しただけなのに、「はい」 を何度言ったことか。 それに、今朝の母さ…
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猫のつぶやき(心頭滅却すれば火もまた涼し)

うだるような暑さって本当に実感してるよ。心頭滅却すれば火もまた涼し。なあんて言ったって、暑いものは暑い。 織田信長に逆らった男を引き渡すように求めれれた寺の住職が断った為に、寺ごと火をつけられて焼かれた。その時住職は「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言ったが、結局焼かれて死んだのだ。 僕は死なない。 母さんがいろいろ気…
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猫のつぶやき(夢か現か幻か)

夢か現か幻か そう表現するにふさわしい今の僕である。脳みそにまで襲いかかろうとする熱射は、夏のそれじゃない。異常としか思えない。どんなに暑くても、朝晩の涼しい風が一日をホット癒してくれる。これが夏である。僕はゴロゴロと寝そべって、貴重な時を無駄にしている。 夢だったのか、いやいや本当に母さんが呼んでいたのか。 「呼…
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猫のつぶやき (背中で表現)

.「親の背を見て 子は育つ」 「後輩は上司の背中を見て育つ」  こんな諺を昔はよく聞かされた。親のすることが子にとっては世間の常識であり、上司のすることが後輩にとっての常識となる。 「母さん 僕の背中を見て何か感じる?」 「笑いたくなる」 「またまた、そんな………ねえ 真面目に答えて」 僕の後ろ姿を見ていた母さ…
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猫のつぶやき(夏目漱石賞)

お笑い芸人の又吉が芥川賞をとった。お笑い芸人初の快挙だ。マスコミのカメラやマイクの集中インタビューに、これからも芸人100%でいくのだと落ち着いて応えていた。 この賞を受けた者が将来作家としていつまでも継続できる確証などありはしないことをよくわきまえているのだろう。 人間はおおよそ60兆の細胞から成るというから、ひときわ秀で…
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猫のつぶやき(僕のルーツ)

アメリカという国家の最も暗い側面を描いた「ルーツ」というドキュメンタリー小説が、テレビドラマになって放映されたのは1977年と言うから、当時生まれた人は、今ではもう40歳近くになる。 アレックス・ヘイリー原作の「ルーツ」は、西アフリカのガンビアで生まれた黒人少年クンタ・キンテを始祖とする黒人奴隷の親子三代の物語である。世界中が…
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猫のつぶやき(笹の葉サラサラ七夕の夜)

牽牛と織姫の話をしながら、母さんは僕のために笹飾りを作ってくれた。僕がいつも元気でいてくれるだけでいいと言う。ゴンも願い事があれば母さんが短冊を作ってあげると執拗に聞くけれど、僕も母さんと思うことは同じさ。 「今夜は雨だから、牽牛も織姫も傘を差して出かけるのだろうか?」 天の川に雨が降るわけないじゃないかと即座にお叱りを被っ…
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猫のつぶやき(文月の朝)

< 2015年も丁度半ばにきた。年の初めから張り切りすぎた面もあり、ここらでちょっと振り返る。 その時その時で、これでよし 、と自分に言い聞かせながら納得の日々を生きてきたことには満足をしているが、おかしなもので、それで全てよしと言う訳でもない。「完璧」ということはあり得ない。自分の中でそんな風にじわじわと完璧という厚い壁を崩…
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猫のつぶやき(チョコレートは王様)

「ゴンは何処でチョコの味を知ったのだろう」 戦後の貧しい中を生きてきた母さんにしてみれば、70年経った今でさえチョコは菓子の王様的存在らしい。 確かにチョコレートの味は、懐かしいだけでなく高級感のあるミルキーさの中に、ホッと癒されるものを感じる。母さんは僕とチョコレートの意外性にかなり強い関心を持ったのか、戸棚の奥にいつも買い置…
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猫のつぶやき(花一匁の悲しい響き)

僕が慌てて家に帰って来たのには、訳があるんだ。母さんに話したい。母さんに聞いてもらいたい。その一心が僕をこんなにまでジャンプさせたんだ。       ふるさとまとめて 花一匁                ふるさとまとめて花一匁       勝って嬉しい花一匁       負け…
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猫のつぶやき(梅雨を快く迎えよう)

霧のかかった朝のなんと殺風景なことか。青い空に白い雲、緩やかに緑の曲線を引く山々のずっしりとした安定感、それが当たり前のことと、何の疑いもなくみすごしてきた無頓着さは迂闊であった。 自然はいつも同じ顔をみせるわけではない。(鬱陶しい梅雨) そう思い込むのも勝手な傲慢である。  これからすぐそこまで迫って来た梅雨の季節を快く迎…
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猫のつぶやき(端っこは希望の入り口)

何処に行きたい? と聞くと はずれがいいねえ と言う。地図を広げれば、海に心地よく浮かぶ日本の端っこばかりを手で追っている。 「どうして端っこが良いんだろう?」 「端っこには 希望を感じるんだよ ゴン」 母さんの答えはいつも決まって同じだ。内に向えば向かうほど窮屈でもあり、何もかも出来上がってしまっていて面白くな…
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猫のつぶやき(老婆の休日)

3人合わせて240歳にもなろうかという婆様たちがやって来て、僕の部屋を占領してしまった。 母さん一人でもなかなか僕には手にあまるのに、3人となるともうどうにもならない。たわいない話で盛り上がり、咳こむほどに笑いころげ、遠くなった耳をうまくカモフラージュして、聞こえたふりをしている。隠し通せぬしわも、どうやらここではふてぶてしい面構へに…
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猫のつぶやき(散歩道は教えてくれる)

自転車の前かごに乗っての散歩は、実に爽快である。母さんは平気な顔で休みなくペタルを踏んでいる。目的地は同じでも、昨日とはちょっとばかり道が違っているのは母さんらしくていい。 今日はどうやら裏道を選んでいるようだ。これまで見えてなかった風景が新鮮でより楽しい散歩道となった。 住まいの脇で紫色の花をつけたジャガイモが、10本ばか…
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猫のつぶやき(一杯の珈琲を求めて)

今日と言う日の始まりに相応しいBGMである。 静かに明けた朝の私に相応しい珈琲の香り。 五月の緑が山を覆い、自転車と共に流れるつつじの道の 心を揺さぶる爽やか な風の なんと嬉しいことか。 この時間と空間に身をおくことの喜こびが生み出す様々な想像力。 この細やかな時がもたらすものは、幸せなどというあまいものでも …
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猫のつぶやき(芭蕉と一休さん)

ただぶらぶらと、ただぼんやりと、暇にまかせて旅をしようと考えていた。 それも松雄芭蕉の奥の細道にちょっとばかり刺激された感がある。 芭蕉が東北、北陸の旅に出たのは46歳の時であった。 今の46歳といえばまだ人生の一番決起盛んな年であるが、 当時は「人生わずか50年」 と言われた時代のことであるから驚きである。元禄2年…
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猫のつぶやき(公園)

公園は、僕達の社交場であり、休憩所であり、人間観察の空間でもある。軽やかにジョギングする者、口から生まれてきたようなウォーキングの女性達、みんなこの公園を横切って行く。  澄んだ空と萌える新緑のコントラストは、五月ならではの爽やかさである。桜が終わり、つつじやさつきが競うように咲き誇った公園のベンチはついこの前まで、桜の花びらで遠…
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猫のつぶやき(同じ穴のむじな)

公園のベンチは、夕べの雨がまだそこを占領していた。猫の早朝会議は、それでもいつもどおり進行した。 今朝は珍しく長老の姿も見られ、若い猫達は心なしか行儀よく神妙である。 来世はどんなものに生まれかわりたいか、とてつもない議題に若いものははしゃぎ、老いたものは心の塵をかき集めるように眉間に皺を寄せた。 「……これがいいと言うも…
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猫のつぶやき(真夜中の鼻歌)

こんな真夜中に聞こえてくる鼻歌は、どこか不気味だ。僕の心は大きく波打ってはいたが、母さんにきずかれないようにじっと耳だけは立てて様子を探っている。 「あいつだ」 そうだとわかっているが、やっぱりじっとしていた。 この頃あいつはたいてい真夜中にやってきては僕のテリトリーを闊歩しているんだ。 鼻歌まで出るということは、してやった…
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猫のつぶやき(白いてぶくろ)

県会議員や市会議員の選挙が迫り、街を行く選挙カーの声はかしましく、白い手袋の動きも激しい花冷えの日、しっとりと雨をも取りこんでさくらの花びらを奪ってしまった。 パッと咲いて、ぱっと散った桜は美しい。白い手袋の揺れ動く日々ももう終わる。当落が確定してしまうと、白い手袋は無用の塵となってしまうのだろう。候補者全員の白い手袋が意味するも…
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猫のつぶやき(雄叫び隊)

僕達猫の早朝会議において、四月から、雄叫び隊を結成したんだ。 昔と違って、生活して行く上で、何もかもが目覚ましい進歩、発展を遂げてきたけれど、僕らから見れば、人間は便利になればなるほど本質が狂ってくるのではないかと考えているんだ。 一つ一つこつこつ積み上げていき、その達成感でこそ味わえた喜びも、スイッチをポンと押すだけでこ…
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