テーマ:手紙

猫のつぶやき(手紙)

《○○ゴン君へ》 … 僕に手紙が来たんだ。 ほんとにほんとだよ。 大きな茶封筒なんだ。 猫の僕にだって立派 に手紙が来たんだ。 嬉しかったさ。しばら くは何だかピーマン頭になっちゃったよ。 母さんに読んでもらったら、僕のピーマンも少しづつ肉詰めされてきて、落ち着き をとりもどしたんだ…
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「手紙」(宛先のない手紙)

 先生にお手紙を書けるまでに、60年の歳月を要しました。当時の私は 何度試みても(( 先生 )) とだけしか書けませんでした。子供の中に 少しだけ大人の精神を持ち合わせていたのでしょう。葛藤の末にいつも 大人の堅い精神が勝って、少女の純真な心は傷ついていたのです。 沢山聞きたいことがありました。もういいのです。 …
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「手紙」(あれから・・・・・・・)

 一人二役の会話では、次第に体内ファイルがいっぱいになってしまった。 夜更けにひょっこり起き上がっては先生に手紙を書こうとした。だが便箋に 向かうと、何も書けなかった。「先生へ」 いつもそこまででペンは動いてくれない。 湧きあがる真実の思いは、ペンの先からちりじりに乱れ飛び、どうしても心のまま を映しだしてはくれなかった。 …
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「手紙」(眼差し)

帰りのバスは疲れもあって、静かであった。優勝という大きな目標達成で、 あまりの喜びに沸いた後の心地よい安らぎにとまどっていた。 「いいサーブだったね」 木原先生のふいの言葉であった。少女は先輩に遠慮がちに笑った。 試合に勝ったことも、いいサーブが入ったことも、先輩に頼りにされたことも、 母の丹精込めた弁当も、それは彼…
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「手紙」(試合の日)

 試合の日は好天に恵まれ、移動するバスの中は、炒り豆のように騒がしい。 勝って県大会に出場しようという意気込みが団結心をより強いものにした。  「いつも通りやれば大丈夫だから」 木原先生は笑っていた。少女は失敗だけはすまいと心に誓った。サーブも 左利きを生かした強いのを入れて見せる。木原先生が目を大きく開いてじっと 見…
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「手紙」(お見舞い)

 木原先生の欠勤が続いた何日目かの朝であった。監督がチームの皆を集めて言った。 「木原先生の病気は後数日で良くなるそうだから、明日の日曜日に行ける者だけで見舞いにいくぞ」 「ワーッ1」 病気見舞いというのに皆喜びの叫びをあげたのは、先生に会えることを待ちに待っていたからにほかならない。 「自転車でいくぞ」 …
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「手紙」(わたしの先生)

 放課後の練習は、大きな試合を控えているのでハードであったが、一人として不平不満を言う者はなく レギュラーとしてのメニューを入念にこなし、監督も眉間にしわを描くこともなくきょうの練習を終えた。 「大丈夫か?」 監督は穏やかな顔で聞いた。昨日のアクシデントは、いつも元気で休むことのない生徒が、朝からいきなり 養護室にいるの…
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「手紙」(こんな近くで・・・・・・)

 風は、青ざめた顔にいくぶん元気をくれた。 「大丈夫?」 後を追って来た先生の声がした。少女は立ち上がって見せた。「はい」の返事も出来ないほど動揺していた。 「授業・・・・どうするかね」  先生の思案顔の奥に(大丈夫だよ)と言うサインが視えた。少女はコックリと首を縦にして、うつむいていた。 顔をあげて先生の目を…
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「手紙」(夢見心地)

 大きい声で叫んだつもりが、力なく口の周りで消えてしまった。 そっと目を開けてみると、そこに膝を曲げて覗きこむ先生の、目が笑った。 「・・・・・・・・・・・・・」 「寝ていればじき回復するからね」 一瞬自分の置かれていることの訳が解ってくると、少女の中で雷鳴のように 激しい鼓動がした。 「少しは気分が良くなったか…
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「手紙」(貧血で倒れる)

 学校は楽しかった。どんなに遅くまで起きていようとも、翌朝の目覚め は爽やかで、登校支度は俊敏であった。目覚まし時計を使用したことなどなく  「早いね」 と母親の笑顔はいつも心の隅々まで見通しているように思えた。  「先生が、サーブがうまくなったね そう言うた」 少女は弾んだ声で得意満面である。  「ちょっとでも早…
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「手紙」(少女・13歳)

 その目は絶対でした。美しいとか、澄んでいるとか、大きいとか深いとか そんなことではなく、1回でも目と目がぴたりと合えば、少女の一日は他の どんな欲望も不満も入り込む隙はありませんでした。どこからか湧き上がる 胸のつかえと頬のほてりで、心豊かに満たされた日々でした。 放課後の部活の時間になると、コートに出るまえに教員室をさり…
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