テーマ:ファンタジー

猫のつぶやき( 今日という時 )

 小さな街の一角に新しい店舗が開店の運びとなり、秋の陽気に釣られ、これと言った目的の買い物があるわけでも無く出かけてみた。カートや籠が不足するのではというほどの盛況ぶりに、消費税アップのことなど、忘れてしまっていた。 開店サービスで割安のせいか、万札での支払い者が多く、なんだかんだ言いながら、食うに困る表情は見当たらなかった。…
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猫のつぶやき(何かがおかしい)

xある本の中に出てきた言葉に「人間の劣悪弱体」というのがあった。 つねずね自分の脳を駆け巡り続けている懸念にピタリと反応し、結局自分自身にロジカルな説明を課せることと相成ったのである。 最近、不快に思い少々疑問にも感じることが増え、歳のせいだと言ってしまうには合点がいかない。とまれここに表記してみよう。まずテレビ番組を指摘し…
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猫のつぶやき(パラダイス)

今日から11月である。月や年度が変わる度に思うことは、たいてい同じようなものだ。留まるところ実にシンプルで明解だ。 何処へ向かうかもわかり過ぎるし、その世界も人それぞれに想像し、あるやなしやの壁に突き当たっては先の事だとふっとひと息つく事のくりかえし。無駄なことだと戒めつつも、生きているからこその想像は、案外心安まる面もある。 …
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猫のつぶやき(人生はジグソウパズルに似て)

紅白の司会者が決まったことが、全国ニュースで流れることも当たり前の事だろうが、10月半ばでそれを取り上げると、時の流れのあまりの速さに驚怖を感じてしまう。若い頃は逆だったように思う。何かを待ち、いつも先へ先へと巡る月日に期待した。 新年を迎えることよりも、気忙しい年の暮れの生活風景に見る活気は、膨張したり収縮したりして…
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猫のつぶやき(まず一歩)

お洒落な喫茶店は今日もわたしを穏やかな気分にし、衰退した脳幹にわずかなりとも新鮮な酸素を送り込んでくれる。独りよがりの納得かも知れないが、ワンコインに満たない料金で得たこの空間は、アイパットと携帯電話だけの入ったバッグ一つが従者のごとく在るだけだ。 勝手知った我が家では、目をつぶってでもどこに何があるかが即座に判断できるし、だ…
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猫のつぶやき(今を生きる)

半世紀以上もこの街に住み、甘いも辛いも知り尽くすに十分な年月を経てきたのに、実は何一つ誇れる実証もない我が身の存在であることに唖然とする。 子育てというより、子に育てられたような頼りない親でもあった。「始めちょろちょろ中ぱっぱ」と言う飯の炊き方さえもおぼつかぬ、味噌汁の味も、薄い日や辛い日で一向に定まらず、舌が記憶している…
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猫のつぶやき(わたしの明日)

高齢者は、その日その時を楽しく暮らせるよう自ら努力をしなければとつねずね思う。生きていれば、憂うことの全くないと言う人はいないだろうが、生きていることの証しでもあるのだと、どこかで納得をしている。 織田信長が好んで謠い舞ったと言う 「敦盛」の 「人間五十年、天下の内を比ぶれば、夢幻の如くなり」 と言う名文句を脳の何処かが今も執…
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猫のつぶやき(無常ということ)

苗木から育てた名も知らない庭の木が私の背丈を超えるまでには、半世紀もの春秋を家族と共に味わったのである。 猫の額ほどの庭で、逞しく美しい姿を誇り、その場所で根を張り、風雪にもぐっと踏ん張ったのだ。 今年の夏は異常とも思える酷暑であった。その酷しさのせいか葉が一部分ずつ色あせていき、やがてひと枝ずつ枯れていくのです…
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猫のつぶやき(月に行った人)

心の深くへは決してずかずか入り込むことはなかったけれど、お互いはいつも通じ合い、許し合った。彼女は中秋の名月の夜、すすきを取り損ねて崖から転落し、あっという間にこの世から消えてしまった。 彼女は『月』 がよく似合った人だった。今夜は雲間からそのまんまるい月が顔を出した。 「また会えたね、どおそっちは あちこちの国が月へ探査機…
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猫のつぶやき(彼等はみんな素晴らしい)

散歩の道すがら、男の子と女の子の兄妹猫ちゃんが大事に飼われている家がある。そこを通るのが次第に楽しみになり、外に出ていないかとキョロキョロ期待して探している私は、ひょっとして不審者に間違えられそうだ。 我が家の猫ちゃんを昨年暮亡くしてからというもの、よそ様の大事な家族の一員であれ、空き家の軒先を寝ぐらとする名もなき彼等であれ、…
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猫のつぶやき(喫茶店という居場所)

この場所を選ぶのは一体どのような人達か、周りをざっと見渡してみると、ほとんど、いやいや全員ネットに夢中になっていて、珈琲の香りばかりが宙を漂っている。 弾む声を制しながらひそひそと語り合うカップルなど見当たらない。この風景も当たり前のこととして受け止める時代なのだと今更ながら感じ入る。 珈琲通でもないわたしには、タリーズもシルビ…
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猫のつぶやき(緊張感を持とう)

2019・令和元年の夏も終わる。いろいろあった。人生いろいろ、世界もいろいろ。 異常と言われた灼熱に屈することもなく、卓球教室は休まなかった。息が上がった割には腕はあがらないが、満足である。 「今年はスイカが沢山とれたのよ」 「イチジクが甘くてできがいい」 休憩時間も穏やかな話題が飛び交い、可もなく不可もない時はまた…
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猫のつぶやき(ついに秋がやって来た)

体温を超える灼熱は、人間の脳みそまでも焼いてしまうほどに厳しかった。 世界のあちこちで狂ったように渦巻くトラブルは、メデイアという網を潜るごとに膨張し、嘘や欺瞞で振り上げた拳の先は、一体どこでどうするのか霧の中にあってまるで見えない。 嫌悪や憤懣をしばし何処かへ押しのけてしまうほどの今朝の風は、はっきりと秋を感じさせ…
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猫のつぶやき(蝉の叫び)

夏は来てたんだ。何かのついでに 何かにくっついてきたような、そんな感じで今年の夏は始まった。 台風が連続で押し寄せた為か、気温と湿度が異常なまでの記録を作った。それだけでも暑いのに、某国から発せられる不快な感情の嵐に、嫌悪感はマックスとなり、盆と通常の境も曖昧ななうちに夏の半分を消失した。 地上で一週間の生涯を終えた蝉の…
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猫のつぶやき(美しい国日本)

際限のない欲望、 乾いた人生観、 羞恥心というものを知らない。 14億という人間の集団が示すように、今や地球のあちこちでうごめく。 まるで、家の柱から壁から全てを食い尽くす白蟻の如き醜態。 南沙諸島も南シナ海も古代から我が国の領域だと言い張る。南沙諸島の領有を平然と主張する国に対…
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猫のつぶやき(夏休みのあの日)

40日間の夏休みは、子供達の思い出ずくりに何か特別な事をしなければと思っていた。もう半世紀も経つが、このシーズンになると決まって思い出す。 ある日、隣町の海へ貝掘りに行くことになり、母の気持ちを笑顔で受けてくれて、子供達ははしゃいだ。海は誰のものでもない、皆んなのもの。この私の常識が見事に崩れた日でもあった。 「ここで貝を掘…
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猫のつぶやき(居場所)

会社人間を卒業して10年を超え、充実の日々を過ごしている。そんなことを今更と失笑をかうだろうが、何処をどう見ても高齢者の顔ばかりが目立つ今の世相である。 どこの地域にも生涯教育として様々な教室を設け、自分に合った選択をし、場所と仲間を得、確たる居場所を確保する。 高齢者にとって、(居場所)はとても重要である。公民館のロビーや…
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猫のつぶやき(さくら咲く)

再び戻ることのないこの一瞬一瞬tの、時の貴重さをおろそかにしてはいけないと、口では簡単にいえるけれど、明日という日が必ず来ることを無意識のうちに確信しているからであろうか。 桜の開花がそこここで告げられ、いよいよ時は爛漫の春へとステージは変わる。 近所の子供達と桜の下で、母の手作り弁当を開いた時が、私の中の最初の春の思い出で…
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猫のつぶやき(卒業)

卒業の季節。子供だけではなく生涯教育を受けた高齢者もまた3月をもって修了である。しかし、4月からまた元気であればほとんどが継続する手続きをする。老いを背負ってはいても、様々なジャンルで上手く時間を活用している人達の嬉々とした生き方はかっこいい。 小学校を始め何度か卒業という儀式はしたけれど、卒業したという感慨に身をおいたことな…
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猫のつぶやき(新聞を読んで)

新聞を読んでいるとふと目にした「曽野綾子」のエッセーが面白い。 【小さな親切大きなお世話】という欄に「教育勅語をすべて否定していいか」というタイトルであった。 学校で教育勅語を毎朝大きな声で読み上げたのだという。私の兄姉達もよく暗唱していた。幼かった私は、その意味などなにもわからず兄姉のそばでうる覚えをしたものだった。 私は教育…
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猫のつぶやき(証人喚問)

僕は猫だから人間の言葉で表現することは出来ないけれど、こうやって書いて意思を伝えることは出来るんだ。母さんが教えてくれたんだ。何年もかけて根気強く僕と母さんは勉強したんだよ。 今僕が関心を持っているのは、テレビ画面を通して見る人間なんだ。人間の言葉や、表情や、姿形。それをじっと見ているのが面白くて楽しいんだ。 「何か面白…
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猫のつぶやき(弥生の月)

村上春樹の小説を再現したような月が、雲を押しのけるように顔を出した。まだ夜には間があると思ったか、再び厚い雲を被ってしまった。私が思い出の引き出しを探るしばしの時を待ってくれたのだろうか。 月はこんなに大きかったかと、今更ながら驚嘆したのである。 「名月を 取ってくれろと泣く子かな」  大きな月を見ると 小林一茶の俳句…
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猫のつぶやき(新聞を読んで思うこと)

新聞を読むことで、今起こっている世界の出来事、世界の動きが伝わる。国の政治、近隣諸国の情勢、危機管理の問題から安全保障等、隅々までもらすことなく目を通すとなると、かなりの時間を要する。 昔から新聞は、公平公正で真実の情報伝達だという潜在的な認識があった。年齢を重ね、経験を重ね、人生の下り坂の途上に立ってその確信は次第に崩れていき、…
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猫のつぶやき(愛のない笑顔はいらない)

「増長」と言う言葉が昨今私の中を暗雲の如く漂い続けているのには訳があります。 「都民ファースト」を掲げて登場した彼女の会見を見ながら、一人憮然とするしだいである。人の尊厳を鼻であしらったような言葉を平然と吐き捨てる態度は、女豹のような冷酷さを感じてしまう。時折口元だけで笑ってみせる笑顔は、真に反するもので、(自分ファースト)のよう…
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猫のつぶやき(アカデミー賞に思う)

1929年に設立されたアカデミー賞の目的は、アメリカ映画の健全な発展を目的として始まったものだった。この度の第89回目となる授賞式がTVで放映されたが、これまでの授賞式とはかなり違っていた。 私とは何の関係もない事なのに、何故か書かずにいられない衝動があった。 映画と言う芸術に対し、キャストやスタッフの成果を讃える最高峰の受賞に沸く…
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猫のつぶやき(ハナとの再会)

私は猫のゴンと言います。何年か前になりますが、我が家にちょくちょく遊びにくる子猫がおりました。名前は《ハナ》と言いました。私もハナも住処を追われた悲しい過去を持つもの同士だったせいか、すぐに話も出来たし私を親のように慕ってくれました。 ハナと過ごす時間はとても優しくいられたし、ハナがじゃれついてくる愛くるしい姿は、本当の親子になっ…
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猫のつぶやき(武者小路実篤)

「武者小路実篤」と言う作家にのめり込んだのは中学生になったばかりの頃だった。図書室に並んだ彼の作品はすぐに完読した。学校の図書室は狭く質素なものだったが、戦後の貧しさなど何処かへ吹っ飛んでいくほどの充実した日々を生み出していた。数少ない図書であっても、本屋もない田舎の子供たちには、正にダイヤモンドのように大切に扱われていた。 学校…
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猫のつぶやき(早起きは三文の徳)

夜が明けたばかりの国道沿いの道を行くと、身も心もしゃきっとする。海から上がってくる太陽を今迎えようとする空は、昨日まで身につけていた全てのものを浄化するように私を優しく包み込む。 工場の煙突が吐き出す煙も、山を背に建ち並ぶ人間の住処も、美しい風景として目を奪う。 白い煙は空に溶け込んでいき…
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猫のつぶやき(アメリカのリーダー)

ドナルド・トランプ大統領の一挙手一投足を世界の目が追う。 メディアの報道次第で、表現する言葉次第で、鬼にも邪にもなる。 一国を統卒するだけではなく世界を背負う存在は、民主主義に則って国民が選んだのだ。今更「認めない」とか「やめろ」とか騒ぎ立ててもなにかしらアメリカという大国のイメージにそぐわない。 彼の一言一句が世界中を震撼さ…
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猫のつぶやき(新しい風に乗って)

元旦、そして小正月。あっという間に走り去ってしまったが、どの日を振り返って見ても、のんべんだらりと過ごした日はなかった。カレンダーは予定の書き込みで埋まり、日がな一日コタツでテレビの守りをする事もなく、自分の描いた線上を上手く歩いた。 かつてない自分の生き方を見出したような新鮮な喜びが心を潤す。 錆びかけた重い扉の向こうに広がる…
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