テーマ:エッセイ

猫のつぶやき(ゆく川の流れのように)

インターネットが一般的に普及し始めた1996年から、時代は目まぐるしい変化をした。その勢いは人々の暮らし方や、考え方までも変えていった。 世界が常に身近にあり、どのように些細なことにも、自分の意見がツイートできて、その反応すらも返ってくる。衣食住は勿論、メイクの技術、ファッションのセンス。もう都会と田舎に大した違いはない。パソコン…
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猫のつぶやき(夢は儚く)

夢を見ることも、あまりなくなった。理由は、色々と思い当たるが、寝る時間も起きる時間も、おおよそ定まっていないことにもよるのかと思う。 睡眠には、「レム睡眠」と、「ノンレム睡眠」とがあり、「レム睡眠」は眠りが浅く、「ノンレム睡眠」は眠りが深いのだそうだが、それが交互に訪れ、レム睡眠のときに夢を見るのだと言う。 高齢もあまり意識せず…
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猫のつぶやき(貴重な一刻)

会社勤めを卒業し、さまざまな拘束から解き放たれた時、背中にもしや羽が?と思える程の不思議な快感が走った。あれから10年以上の歳月が、正に立板に水の如く流れ去った。自由の羽は、我が意のままに大空を滑空出来るには違いないが、常に自分と対峙し、次なる絶対的拘束の鎖は、これまでにも増して己の操縦に慎重を強要する。 細い産道を一人でくぐり抜…
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猫のつぶやき(一杯の珈琲)

  夜明けは早い。カーテンを通して私を呼び起こす光の凄まじさに、深い感動を覚えながら迎えた今日の始まりであった。 小鳥の澄み切ったさえずりも、「おはようございます」と声を掛けて通り過ぎた見知らぬ青年も、私の今日という日を心地よく過ごせた要因であろうか。 洗濯物を干し、植木鉢の仲間に挨拶がわりの水をやり、掃除機を唸らせる。これ式の…
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猫のつぶやき(鉄は熱いうちに打て)

プラットフォームで列車を待っていると数人の学生が階段を降りて来た。見上げるほど背は高いが、少々あどけなさの残る顔からすると、高校生に違いない。私の前をニコッと微笑んで通り過ぎた。私はいい気になってニコッと精一杯のお返しをした。 たったこれだけのことではあるが、その一瞬の出来事が、私を大いに奮起させることとなった。 彼等はどうやら…
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猫のつぶやき(憂鬱の根源)

  コロナ、雨、黄砂、なんともやりきれない鬱陶しさ。だが今朝の日差しは眩しく、草木の緑を際立たせている。そんな風景は何よりの恵みだと今更ながら実感する. 失われかけた「希望」と言う晴れがましいことばが戻って来たようで朝から嬉しい。 「歳なんて関係ない」 あえてそう思うのも歳のせいだが、正に改めてそう思うのだから間違いなく元気が出る…
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猫のつぶやき(広いっていいのかなあ)

学校の帰りに本屋へ寄って、ちょっとばかりただ読みをしていた学生時代。終戦から10年足らずの頃の本屋はいつも学生服の姿が多かった。「本屋」は学生にとって最高のステイタスであったように思えた。静かななかにもそこには萌えるような夢と希望が満ち溢れ、多くの可能性を見出す場所であった。 欲しい本は山ほどあったが、その表題や著者を見るだけで結…
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猫のつぶやき(母の日)

毎年息子から届くカーネーションで「母の日」を知る。1905年にアメリカから始まったとされる「母への感謝の日」が広く世界に広がり、日本では昭和22年(1947)に「母の日」と決められたというが、私はまだ9歳の頃で、盆、正月、祭りだけが、特別な日であった。 テレビもない時代であったから、今ほどの情報も届かない田舎で、カーネーションを母…
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猫のつぶやき(照る日曇る日)

黒雲は遠くの山を少しづつ消していき、通り雨は空中の塵埃を包み込みながら、草木に優しくささやき、若葉は艶やかな光沢で応える。 「今泣いた鴉がもう笑う」 と子供の単純さを失笑したものだが、この今の空模様のようだと変なところで結びつけてしまうほど、降ったり照ったりを繰り返している今日である。 空模様の変化は、人間の心に大きく作用し…
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猫のつぶやき(私の決め事)

世に貢献しているわけでもない一人の高齢者にすぎない私は毎日が休日である。それでも土曜日が来ると、茶店の片隅で1時間ばかりの時を過ごすことが私の決め事である。だから土曜日は待ち遠しい日である。拘束されることのない自由気ままな暮らしは、誰もが望む環境に違いないが、社会の一員であるからには、糸の切れた風船のようにはいかない。 自分だ…
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猫のつぶやき(国立国会図書館)

 日本国内で刊行された蔵書を、全て収集して後世に残すと言うことが国立国会図書館の使命である。現在では約4000万点の資料が保管されているのだという。この膨大な原資料を出来るだけ良い状態で保管しておくために、デジタル化事業が進められている。   国立国会図書館なんて我々とは無関係で、一体どんな人が利用するのだろうと漠然とした存在で…
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猫のつぶやき(春うらら)

「それでなにかい、慌ててもどってきたのかい」  大兄ちゃんはそう言って笑った。 「だってね、僕が見つけた僕だけのご馳走が食べられる場所だと思っていたんだもの」 口を尖らして荒い息を吐いた。 「どんな奴だったのか」 大兄ちゃんは驚いた風もなく尻尾の毛を舐め続けている。 桜を愛でる人間が、待ち焦がれた春は、猫の僕ら…
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猫のつぶやき(聖火を守ろう)

地球儀を目の前に置いて、まじまじと見入る。虫眼鏡がなければ探せないほどの小さな日本がやっとそこにあった。  こんな小さな国が、こんな大きな、しかも当時世界一の軍事大国と言われたロシアとの戦争に勝った1905年9月の快挙は、世界をあっと言わせたと言うが、正にその事が日本の存在を不動のものにした最初の大事であったのではあるまいか。 …
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猫のつぶやき(お伽話を聴いた日々)

いつも忙しく働いていた母は、入浴時が最もくつろげたひと時であったろう。まだ幼かった私の背中を流しながら、ある時は昔の尋常唱歌を歌ってくれたり、またある時はお伽話を聞かせてくれた。私にとっても待ち焦がれた母とのコミニュケーションの時間であった。 愚痴を聞いた記憶はなく、平穏で慎ましく幸せであった。 本屋もなかった田舎育ちの母は…
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猫のつぶやき(微笑みの後に)

この喫茶店のこの席は、魔法の席である。 ある時は女学生の私を、ある時は母になったばかりの私を呼び戻してくれる。一人で手繰る思い出の糸は、一杯の珈琲の香りに心地よく引き寄せられていく。 「年を取ったものだなア」・・・・・・ 振り返ることは出来るだけ避けよう、前を向いてぶっ飛ばせ! なんて気合いをかけながらここまで来たはずだった。…
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猫のつぶやき(ガラパゴス・携帯)

今使っている携帯電話を「ガラケイ」と言うのだそうだ。あっちを見てもこっちを見ても、スマートホンを上手く使いこなしている。「ガラケイ」と言うからには 「がらくたの携帯」と解釈していたけれど、「ガラパゴス・携帯」と言う日本だけの略称と聞いて、なるほど、とその略称を銘々した人に感心した。でも、実に健闘してくれたこの電話が、そんな名前で呼…
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猫のつぶやき(母は強し)

1898年生まれの母を1938年生まれの娘は日に何度も思い起こす。何気なく言った言葉もしぐさも、朽ちることのない輝きを放っているからである。ああしろ、こうしろと命令調だったこともなく、手をあげたこともない。だが母の教えはどんな教書よりも私を動かし納得させる力をもって今も居座っているのだから凄い!  「何処そこのお嫁さんは、布団の縫…
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猫のつぶやき(建国記念の日に思う)

公園の梅の花が綻び始めた。昨年も同じ位置で写真を撮り、早い春の気配に歓喜したことを思い出した。2月の風はまだ肌に刺さるけれど、空の青は、この生命が無限であるかのような気分にさせてくれる。部屋のガラス戸越しに見る空の青には限界があるが、今私を取り巻く360度の世界は、コロナ禍であることさえ忘れさせ、夢か現かそれさえも境界の無い異次元の…
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猫のつぶやき(足るを知る)

歳を重ねると言うことは、何もかもが老化し、衰退の一途を辿るのであろうかと、我が身の末路を想像していた。だがここまで来なければ決して知ることの出来ない真理が、霧が晴れるように実感として味わえるようになった喜びは、「足るを知る」と言う言葉の重さを理解したことに通じる。 あれもこれも欲しいものだらけの底なしの欲望。そんな『足りない』だら…
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猫のつぶやき(じっと手を見る)

27歳という若さで逝った石川啄木は、「一握の砂」「悲しき玩具」の2集を刊行したにすぎなかったが、時を超えた今でも折に触れ浮かんでくる。    ※ 東海の 小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたわむる          ※ はたらけど はたらけど 猶(なほ)わが生活(暮らし)楽にならざり        じっと手を見る…
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猫のつぶやき(アベノミクスとコンテナ)

 私は鉄道ファンと言う訳ではないのだが、乗るのも見るのも好きである。 2012年12月26日の第二次安倍政権に於いて、「三本の矢」を柱とする経済政策が表明されてからというもの貨物列車の最後尾が通過するまでじっと見る癖がついた。コンテナの数を数えていくと、ついつい見逃してしまい、スピードについていけない悔しさを繰り返しながら、それで…
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猫のつぶやき(令和3年に)

2020年と言うコロナに明け暮れた年が去ったけれど、依然として居座るコロナは、人類の滅亡の始まりのようにさえ思えてくる。 地球上のすべてのものに与えられた公平を、人間の欲と嫉妬の鬼塊となって、傲慢に独占した罪に、天が痛い罰を下したのかも知れない。 目に見えない恐怖に疲弊してゆく現実に、じっと耐える強い精神力を持った者こそが勝…
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猫のつぶやき(自分は自分で守る)

82歳なんてどう見たって老人ですよ。ところで、個々人が自分を老人だと思っているかと言うと、いやいやなかなか。 面倒なことや都合の悪いことには「もう歳だから」と、上手く歳を利用して言い逃れをする。かと言って「若い人にはかないません」と言いながら、口数だけは叶いすぎる。 誰かの手助けがいる様になって、はじめて己の衰退をまざまざと実感…
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猫のつぶやき(映画の思い出)

色々な映画を見た。そして感動した。グッと胸を突き上げる思いに夜も眠れなかったこともある。 美空ひばりの「リンゴ園の少女」は校則に逆らってクラスの女子ばかり5〜6人で夜道を黙々と歩いて町の小さな劇場へ出かけた。翌日登校すると校長先生に厳しいお叱りを頂戴したが、映画の感想を全員が熱のこもった顔で説明したことで、「規則」だからねと言われ…
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猫のつぶやき(葉付き人参)

畑から今採って来たばかりの葉付き人参を頂いた。スーパーでは決して買えない香り豊かな高級品である。濃い緑の葉は、虫一つ食った形跡はない。人参独特の匂いのせいなのだろうか。 さて、人参葉でどんな料理をしようか。 子供の頃に母が作る人参の葉料理が嫌だった。昭和20年8月15日の終戦を7歳で迎えた私でしたが、食べ物で不平不満など…
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猫のつぶやき(喫茶店にて)

クリスマスツリーが店のあちこちに飾られ、早々とクリスマス気分を誘う。ひなびた茶店の片隅は、私のお気に入りの場所である。この椅子に腰掛けると、じわじわと脳が稼動し始める。思いつかなかったアイデアが突然具体化したり、勝っていた筈の将棋が負けに転じたことの訳など、思いもしなかった解決をみるのである。 窓の外を過ぎる人も車も、皆モザイ…
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猫のつぶや(暮れの気忙しさ)

師走の声を聞くと、なんとなく気忙しい気分になる。戸棚や押し入れの整理、たいした意味のない領収書や写真など、毎年毎年やってきたはずなのに、高齢者の烙印を頂戴してこのかた、相変わらず暮れは忙しい。  私はこの気忙しい気分が好きである。色々理由を手繰ればそれなりの理由があるのだけれど、この暮れの忙しさの中に、いつも母の姿が蘇るからだ…
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猫のつぶやき(読書の効用)

〜 武者小路実篤の「友情」に始まり、「愛と死」、「真理先生」「人生論」など徹夜して読みあさった。実篤の作品は多種多様であるが、一貫して言えることは全ての作品がわかりやすく、明るく前向きな文章であることです。  15、16の躍動感溢れる年頃に、「武者小路実篤」に心酔したことが、人生の最大の指針を植え付けることとなった気がしてならな…
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猫のつぶやき(青い空、白い雲)

  青い空、白い雲。  スイスイ泳ぐよ、僕らのヨット。 母になって最初に買った子供への本の1ページは、今も忘れもせず鮮明に思い起こせる。昨日は何を食べたのかも曖昧であるのに、半世紀以上も前のことは、海馬の奥底にしっかりと記憶されているのも驚きではある。 母親…
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猫のつぶやき(雑草の歌・16・・・よもぎ)

何という一年であったのでしょうなあ。令和2年も目出たく明け、此処を通る人の足音も実に軽やかでしたのに、コロナと言う厄介な新型ウイルスのおかげで、世界中が大混乱ですわなあ。鉄道沿線のこの僅かな空間でさえも陰鬱な雰囲気が伝わってきます。 2020年(令和)2年の幕開けは、誰の顔にも新鮮な心持ちが吹き出しておりましたよ。私らもつられ…
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