おばあちゃんと一太郎 ②

 今日も雨が降っていて周りには人の声もない。学校を終えた一太郎は
やっぱりおばあちゃんの家にいた。

「友達はいないのかい」  孫の帰りを何よりも心待ちにしている自分なのに
                一太郎が、入り浸りになることに一抹の不安もあ
                り、これでいいのだろうかと、ついついつっぱねて
                しまうのでした。 
                 
               
 開口一番挨拶がわりの慣れた言葉ではあるが、一太郎にしてみれば
少し不満である。まるでここに来るのが悪いのかと、ふと思わせる。

「おばあちゃんといると 何か面白いことが湧いてくるんだ」

「面白いことか、ええなあ、おもしろいことかあ」

面白いことにはやたら反応するので、何かないか、何かないかといつも
考えている彼の中には、一つだけとっておきがあるにはある。
「無理だな」 そうだよ 無理!と言われるに決まっているさ。
しかし、駄目もとだと一太郎は思い切って切り出してみた。

「おばあちゃんの家はかなり古いよね」
「古いがね おばあちゃんがこの家に嫁に来る前からじゃからの」

「この家の地下を掘ってみたいと思わん?」
「何のためじゃ 宝物でもあるか」

それほどびっくりした様子もない。一太郎は脈があるとふんだ。
 なんとかなるぞ。なんとかしてみせる。
わくわくしてきた。白い歯を見せながら、 「ふー」 と一息入れた。








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