おばあちゃんと一太郎 ⑦

 家の前には畑が広がっていた。一人ではとても作りきれないが、種から
小さな芽がふき始めるころは、収穫の時よりも喜びは一段と深いものがあ
った。 突き抜けた青空の下で、おばあちゃんは何やら四隅に竹を立てて、
紐を張っている。

 学校から帰る一太郎を待ちわびていた。何気ないそぶりはして
いても、何度も背伸びして遠くをうかがっている。今日に限って帰りが遅い
きがする。
 見える見える 白い帽子の男の子が見える。遠くからでも一太郎だと
すぐ見分けがつく。やっと帰ってきたか。知らんふりして草の上に腰を
おろしていた。

「僕を待っていてくれた?」  一太郎は息をはずませている

「さっさと宿題やってこんかい」  相変わらずそっけない

「きょうはいいことあったよ」

一太郎は早く聞いてもらいたくて、急いで着替えをして出てきた。

「作文 褒められたんだよ・・・旅行のこと書いたんだ」

おばあちゃんはすぐにピンとくるものがあった。一太郎は旅行がよほど
楽しかったんだなあ。

「坊の気持ちが、正直に書けて 先生にもよう伝わったのよのう」

畑の一角を、孫と二人で楽しく 面白いことに利用する夢の話を早く打ち明け
たいおばあちゃんだったが、一太郎の一人舞台はまだまだ終わりそうにない

    また明日にしよう

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