猫のつぶやき(変わり行く時代)

画像手書きの分厚い台帳を開き、インク壺にペンを突っ込んでは書類の記入に明け暮れた会社員時代の事を、何かのきっかけで思い出すことがある。ミミズが這ったような字を書き連ね、書棚に何十冊も積み上げ、その厚さがわたしの勤続年数に比例した。誰が開いてもすぐに解るようにと、一字一字丁寧に書く事に勤めはしたが、そんな台帳も功を奏すこともなく、埃を共有して倉庫番にすぎなかった。

時代が変わったと実感したのが、パソコンの導入であった。慣れるには時間もかなり費やしたけれど、技術の刷新は、目まぐるしい時代の変貌を、この目で実感することが出来た。

今でこそ(がらけい)とさげすまれ、スマホの目覚ましい躍進に首を譲ってはいるが、携帯電話の普及は、日常の全てをガラリと変えた(だからガラケイ?) 携帯電話と財布がなければ身動きが取れないくらい重要となった。

ドローンが飛び、運転手のいない車が走る。カードとスマホで人は身軽く旅をする。
生活様式が変われば価値観も変わり、人生観も死生観もかわるだろう。

会社を卒業する際、倉庫の台帳を全て廃棄した時の、虚しい心を振り払い、次なる目標に希望を繋いだ日は、ひと昔前になる。今、自分はどれほど、どんなに変わったであろうか。


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