猫のつぶやき(引き出しは引き出すもの)

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夜中にふと目覚めた時、読みかけの小説の続きをむさぶり読むのが何とも楽しい。
登場人物の個性的な魅力にとっぷりと溶け込んで、事細かい所作までもイメージして、自分の思い通りのキャラクターを描いている。

少しづつ衰えていく視力を無視して読み進むとわずかな吐き気を感じる。そんなにしてまでのめり込んだ本の内容や人物の名前も、少しばかりの日が経てば漠然とし、やがて忘れ去られてしまう。
学生時代に読んだものは、脳の奥深くへ浸透し、しっかり鍵がかかったものだ。買い替えの効かない鍵は、朽ち果ててしまったのだろうか。

ヘルマンヘッセに惚れ込み、ドフトエスキーに驚愕したのも確かだったのに、鮮明だった筈の記憶を収納した引き出しから、ずるずると抜け出してしまった。

これが現実なのだと、残念ながら受け止めるしかない。
しかしながらものは考えようで、「忘れる」という機能がどれだけ幸せをもたらすことか。負け惜しみとも取れるが、決してそうではない。

せっせせっせと引き出しに入れ、せっせせっせと引き出そう! 画像



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