猫のつぶやき(未来を繋ぐ梯子)

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 「緊急事態宣言」も解除となった。これでやっと元に戻るということではなく、これを機に人の在り方や考え方など、一度リセットして、これまで気づかなかった自分の長短に、じっくり向き合うのも良いかなと思う。

 ふり返れば、結構長い年月を生きたものだ。しかし、本当にそう思っている訳でもなく、何しにこの世界に誕生したのかさえ、今もって答えることもできない。
一回きりの人生の舵取りは、果たしてこんなものでよかったのか。
来た道の遥か遠くで、いつまでも点滅し続けている自分。そのまま、そのままの自分。
年代順にその時々の自分のコピーを呼び起こすことは、私に残された未来にかける梯子になっているようにも思えて、息苦しいほどの感慨にふける。

前進あるのみ、振り返るな、などなど常に我が身を励ましてここまで来たけれど、「人生」 と言う私の歴史に終止符が打たれる日まで、まだまだ自分には未来があるのだ。たとえそれが明日であろうとも。
長い梯子は時に儚い霧の中に掛かっていて、想像と憶測でしかなかろうと、今、ここに在る自分は、親の愛からスタートし、この梯子の土台であることを生涯忘れてはならないのだと、強く思う。

人生に関する書籍は、数多く本屋の棚を飾るが、私の人生は私だけのもので、私だけにしか理解出来ないことが誇りでもある。

若い頃読んだ、吉川英治の「宮本武蔵」の最後の章が、記憶の中で鮮やかに甦る。

     波騒は世の常である
     波にまかれて、泳ぎ上手、
     雑魚は歌い、雑魚は踊る。
     けれど、誰が知ろう
     百尺下の水の心を、水の深さを

私も雑魚である。梯子の一段一段を懸命に登って来た、ただそれだけのことではあるが、心の奥底に沈殿したものは、計り知れない光となっている。


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